■ はじめに
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本ページは私べべが今後,論文を書くときのために残したメモ書きです。
ここに書かれた文章は,全て私のための教訓ですが,
(情報分野の)皆様にとっても,役に立つものがあるかも…と思って公開しました.
えりあkとは全然趣旨が異なるページですが,ご了承ください.
2003/03/04 べべ
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■ 論文心得
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論文を書く上で,『以下の3点を書くのだ』ということを必ず意識しておくこと.
- 何をするのか? -- what
- 何で(何のために)ソレを するのか? -- why (for what)
- どのようにするのか? -- how
個々の事例に関して, ”何をするのか” に関する ”理由(何故)” が
書かれていることを必ず確かめること!!
論文にしても発表用資料(power point)にしても "何をするか" , "何を書くか" について考えるだけでも時間が過ぎていくことは確実.余裕をみて作業を進めること.
→締め切りの丁度半分の時期 に自分的締め切りを置いておくとよさそう.
・自分のしたことを書く。嘘はダメ!!
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■ 論文作成の準備
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作成前にやっておかないと後で 死 を見る作業です.
絶対やっておきましょう.
- 一つのモジュールができる毎に、そのモジュールに関する本文(論文)を書く
- 研究に対し想定される,基本的な質問に対しては答えられるようになっておく.答えられるのだったらそれをまとめることで研究背景を書くことができるはず
- 背景・目的に関しては研究に着手した段階で作成しておくこと!!
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■ 論文の作成手順
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以下の項目に関しては必ず一段回ごとに教授の 確認 を得ること!!
- 題名決定(締め切り1ヶ月半前)
- 題名だけで研究の中身がわかるような題名を選ぶ
- 実際に行っていない研究を含んでしまうような広義の言葉は用いない
- 目次の作成
- 論文は『内容梗概,はじめに,本文,評価実験,おわりに,謝辞,参考文献』の流れ
- 本文は『用語説明,実際に行ったこと』の流れ
- 本文の題名は,それだけで中身がある程度わかるものを厳選する
- 目次のページ配分を見るだけで,一番強調したいところがわかるような構成を
- 目次作成の段階で,書くこと全てを決定する!!
(何を書くのか,この時点で本文中に具体的に記入しておく.詳細であればあるほど 論理的構成がしっかりするため好ましい.)
- 『報告会における発表を補足したものが論文である。』 という心づもりで書くと,何を書くべきか見えてくるはず
- 内容梗概作成(締め切りまで一ヶ月強の段階が好ましい)
- この作業に入れば,同時並行で本文も作成していくこと!!
- 内容梗概は”背景”,”目的”,”内容”の3部から成る
- 背景、目的、結果の流れが論理的に通じるように!!
- 例題に関しては『―が…であることを確かめた』のような文が一般的に使われる
- 内容に記述するのは、具体的かつ簡潔に!
(自分の手法の 売り を簡単に記述する)
- 背景・内容に関しては研究にとりかかった時点で作成したものを校正するくらいでよいと思う
- 従来手法との比較などを通し,背景や目的を記述する
- 評価実験に言及する際は,評価対象,評価項目,評価目的を重点的に記述
- 書きすぎはダメ.(やっていないことを書いてはダメ)
- 内容梗概は1枚で収める
- はじめに作成
- 『はじめに』は内容梗概の”背景”と”内容”を補足したものでよい
- 報告会の原稿(talk の方)という位置付けで書いていくと良さそう
(発表手順を頭に描きつつ作成すれば良い,という意味)
- 参照は [xx,yy,zz] の形で記述し,[xx][yy][zz] と記述するのではない
- 『はじめに』の最後で,論文の構成を述べる
(『以降,2章では〜を述べる.3章では〜を述べる.4章では〜について説明した.
5章では〜について述べ,6章に〜した.』のような形で,文を区切るのが一般的らしい)
- 第一稿完成(締め切り2週間前)
- 細かな調整(いわゆる ”やりなおし”) と 発表用原稿の作成
- 『おわりに』は『内容梗概』を全て過去形にしたようなものでも可
- 『おわりに』において,今後の課題について述べる際には,何故それが課題なのか言及できていること
- 『おわりに』は『内容梗概』と同じくらいの分量を記述.
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■ 注意事項
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必ず,以下を注意しつつ書くこと!
- 一般に文章は別の表現を用いる方が良いとされるが,論文では言葉(表現)が統一され,誤解を招かない文章が良いとされる!!
- 主語・述語の対応がきちんととられていること
- 主語・述語の間に長々と文章が入る場合は,非常に読みにくくなるので,文章を分けるなど,何らかの手段で読みやすくすること.
(ex. 前回『〜は…することで―される』の”…することで” の部分が長くなりすぎて,読みにくい文を作っていました.)
- 用語は統一すること
- 自分で定義した言葉は最初に現れた時点で『〜と呼ばれる』のような形で記述しておく (ex. 記号表と呼ばれる表を…)
- 本文中の","はできる限り等価な意味をもつ接続詞で置き換える
- 表中の文章,itemize された文章の末尾に"."(ピリオド)は不要
(但し","(コンマ)は必要)
- 図や表を用いるときは,『図xxに示す.』や『表xxに示す』の言葉で
- 図や表は先に挿入し,その後で説明を入れるほうが好ましい
- 『〜行える』や『〜得れる』のような言葉は駄目
- "(" , ")" の両端には必ず半角のスペースを入れること
- 『これら』 『あれら』 『それら』 のような言葉は極力用いない
- 私は『〜のとおりである』という言葉を良く用いるが,クドイため避けるべき
- 『〜してやればよい』という言葉も変
- ”アクセス” など外来語を用いすぎるのは好ましくない.日本語で!!
- 英数字は半角で統一
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■ 発表資料作成
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以下は実際に私が行った発表の手順.(いわゆる覚書)
- 内容(何するの?)
→ ****をするの!!
- 背景・目的(何故?)
→ ****やし!! (一言で)
- 本文(内容に応じて)
- 評価実験結果(実際にどう?)
- まとめてみると―
とりあえず,自分が聞き手だったらって考えたら,
上の構成はさらさら〜っと出てきました.
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■ 発表用スライド作成時の注意事項(パワポの注意)
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- 用語は統一すること!
- 図を記述して,口で説明しようとしてもダメ.必ず口で説明することも図中に言葉として記入しておくこと
- アニメーションにより新しく変わった部分も,言葉で説明を補足する
- 一枚に時間をかけるのは好ましくない
- 例題結果が,注目されるところ.何故そのような評価実験を行い,その結果はどのように見るのか説明しておく
- 『まとめ』では,今までに説明したことのみを記述.今後の課題に関して言及する際も同じ!
- スライドの題名を見れば,何の説明をしているのかがわかる,そんな適切な題名を!
- スライドの構成は,具体例の前に,簡単な概要スライドを
- スライドの文章に "." (ピリオド) は不要.コンマは必要.
- スライドの文章が2行にまたがる際も,変な空白が入らないように,故意に改行する
- 発表時は,スライドを後ろに,体は正面を向け発表
- 発表時,スライドを見る際も後ろを向くような感じで見ればよい
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